新築の一軒家にフロアコーティングをして後悔していませんか?もしくは、購入から10年たちやっぱり「コーティングをしておけばよかった」と後悔していませんか?
今日は清掃のプロの立場から、「フロアコーティングはやるべきなのか?」「いつやればいいのか?」をまとめてみました。
早速2つのケースを見て見ましょう。
Aさん:せっかくピカピカのフローリングだからと、新しいうちにフロアコーティングを業者に依頼した。
しかし、その後数ヶ月で「傷が目立ち始め、しないほうがよかったのか?」と後悔し始めました。
Bさん: フロアコーティングをしないで10年経ったというお宅。
当初2〜3年間は半年に一回ワックスをかけるなど手入れをしていたものの、古くなるにつれ効果が見られなくなりました。だんだんやるのが面倒になり、年末の大掃除の時に洗剤でしっかり掃除をするぐらいになっています。
現在、傷や凹み、ひび割れなどが目立ち、日当たりが良いため「日焼け」もしています。
新築にフロアコーティングは必要か?
Aさんのケースですが、結論から言うと、新築のフローリングには通常フロアコーティングは必要ありません。
最近の新築のフローリングは進化しており、最初からコーティングなどの加工がされているものが多いからです。
コーティングがされている床材の上にさらにコーティングしようとすると「密着不良」と言って、上から塗ったコーティング剤がぴったり付かない状況に陥ります。
この場合、仕上がりがキレイじゃなかったり、すぐ汚くなったりすることがあります。
新品の床でも古い床でも、コーティング剤を塗る前にはサンドペーパーをかけて表面をうっすらと削ります。(といっても髪の毛より細いマイクロメートルの世界ですが)
新品の床板を削るのはもったいない話です。
そもそも「フロアコーティング」って何?
フロアーコーティングの「コーティング」は、「床板材そのもの」をキズや凹凸から守るために行います。
コーティングした表面=木材より硬く、その硬さを鉛筆の芯に例えると「4H」に相当します。
(コーティング剤の硬さは鉛筆の芯と同じコードで表示されます。B・HB・Hから9H)
「硬い=粒子が細かい」のでキズがつきにくく、また水分を吸収しにくいのでシミになりにくいという利点があり、お掃除が楽になります。
床板に直接シミがつくと取れにくく、キズがつくとキレイにするためには板を削るしかありません。場合によっては床板を張り替えることになってしまい膨大な費用がかかります。
ただし、コーティングをかけた床は光をまっすぐに反射するため光沢のキレイな床に見える反面、コーティングそのものにキズがつくと乱反射を起こし「目につきやすく」なるというデメリットもあります。
シミやキズコーティング自体についてしまった場合は、削って新たに塗り込むというメンテナンスを行います。
フロアコーティングの仕上がりが「よくなかった」原因としては、業者さんにより塗りむらができたり、コーティング剤の質が良くなかったり、コーティングに向かない材質の床板に塗ってしまった、などが考えられます。
「コーティングをして後悔」した方の不満の要因がこの辺りにあるのかもしれません。
新築ならフローリングの「素材」を施工会社に確認を!
新築の場合でも最初から全くコーティングがされていなかったり、安い床板材(つまり弱い)を使用されている場合は最初からコーティングして守った方がいいケースもあります。
なのでフロアコーティングを検討する前に、まず施工会社に素材とメンテナンス方法の問い合わせをします。
その時に素材のメーカーや品番を聞いておきます。
そうすると、施工会社から詳しい情報がもらえない場合もメーカーに直接問い合わせればコーティングの有無やメンテナンス方法がわかります。
10年経った一軒家の床には、フロアコーティングを
「10年前にコーティングをかけずに後悔した」Bさんのケースはどうでしょうか?
現在、傷や凹み、ひび割れなどが目立つようになり、日当たりが良いため「日焼け」もしています。
Bさん
10年経つ頃には床材も結構痛んできますが、実はこのぐらい経った時こそフロアコーティングは有効になります。
キズを削ってまずフラットにし、その上にコーティングをかけます。
日焼けした場合は、シミを掻いて色を入れてからコーティングする必要が出てきます。
この状況でワックスをかけても、傷に入り込んでそこにゴミが付着するなどかえって汚れが目立つようになります。
また手間だからと剥離(はくり)をせずに上塗りすると、場所によって色が変わるといった問題も出てきます。
痛み具合にもよりますが、古くなった床にはフロアコーティングを検討してみるといいでしょう。
まとめ
フロアコーティングをするべきかしないか?いつするのか?についてのプロのアドバイス:
1. 新築時にするかしないかは素材による
- すでにコーティングがかかっているものは「しない」
- かかっていない場合や安い素材なら「してもいい」
- コーティングの業者への見積もり前に、フロア素材を確認する
2. 築10年ぐらいなら、フロアコーティングが有効
- ワックスで綺麗にするのは困難
- 特にワックスの塗り重ねはNG